Think outside the box

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リフレ派の歴史修正からの脱却に役立つ資料

ゴールデンウイークに「失われた20年」を振り返るのも悪くはありません。

「失われた20年」の原因については、

  • 金融政策の失敗・・・日本銀行の金融緩和不足(→デフレ)
  • 財政政策の失敗・・・1997年と2014年の消費税率引き上げ

の二説が有力ですが、双方の議論から欠落しているのは、1990年代の日本経済の最大の問題が、バブル崩壊に起因する不良債権問題金融システム不安だったことです。

www.jnpc.or.jp

宮沢さんは親しかった三重野康日銀総裁との協議の上、公的資金による金融機関の不良債権問題の早期解決を92年8月下旬、いったん決断したことは間違いない。しかし、野党やマスコミに加えて自民党の一部の国会議員が反対ののろしを上げると、決断が揺るぎ始めた。

9月初旬、三重野さんと面会すると、いつもの彼と違って、いら立ちを隠そうともせずにまくしたてた。

「政治が不良債権の早期処理に失敗→1997-98年の金融危機・金融収縮→企業の大規模deleveraging・リストラクチャリング→デフレ」という流れでした。

ところが、なぜかこの流れが忘却されているため、事実とは異なる因果関係を信じ込んでしまった人が増えています。*1

アメリカの経済学者の「アメリカは金融政策のレジームチェンジによって大恐慌から脱却した/財政政策の効果は小さかった」という妄言をリフレ派が信じ込み、日本経済にあてはめたことも、「失われた20年」に関する誤った認識を広めることにつながりました。

過去記事で検証していますが、

  • 「失われた20年」の前半の「失われた10年」は不良債権問題と企業の「三つの過剰」
  • 不良債権問題が解決した2003年以降は「企業の株主と資本効率重視→世界一の賃金抑制→内需の慢性的不足」
  • 消費税率引き上げの追い打ち

が日本経済の成長を妨げています。最も関係ないのが日銀です。

当時の記憶が薄れた人・知らない人には、以下の資料がお勧めです。

『経済白書』とシリーズ「バブル/デフレ期の日本経済と経済政策」は内閣府のwebサイトに公開されています。特に、シリーズ「バブル/デフレ期の日本経済と経済政策」は読み応えがあるので、連休にチャレンジしてはどうでしょうか。

経済白書〈平成11年版〉

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検証経済失政―誰が、何を、なぜ間違えたか

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検証 経済迷走―なぜ危機が続くのか

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検証 経済暗雲-なぜ先送りするのか

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totb.hatenablog.com

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*1:2000年代前半には、不良債権はデフレの原因か結果かで論争がありました。