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[グラフ]5月のマネタリーベースとマネーストック

5月のマネタリーベースとマネーストック(M3)をグラフにして比較します。

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量的・質的金融緩和の開始以来、M3の増加はマネタリーベースの増加の約1/2にとどまっています。現実は貨幣乗数理論*1とは異なっています。

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M3の増加は政府向け信用(≒国債)の増加によるものです。

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日本銀行の黒田総裁は苦戦していることを認め、

jp.reuters.com

日本銀行は人々の間に定着してしまったデフレマインドを抜本的に転換することを目指しているが、インフレに対する人々の認識を変えることは決して容易ではない」と苦悩をにじませた。

リフレ派の教祖の一人だったバーナンキも、クルーグマンに続いて「脱会」したようです。

diamond.jp

「私はよく理解できていなかった。特に初期の論文では楽観的過ぎた。中央銀行がデフレを克服できると決意して金融緩和策を行うことに、私は確信を持ち過ぎた」

アベノミクスの第一の矢・異次元の金融緩和(リフレ政策)は期待外れだったと言ってもよいでしょう。

アベノミクスのこれまでを整理してみます。

  • 「異次元の金融緩和」などの派手な宣伝文句で、投資家(特に海外)に対してレジームチェンジが起こったかのような印象操作を行う(Buy my Abenomics)。
  • 株高と企業業績の好調(←労働分配率は低下)を「日本経済は順調に成長」との印象操作に用いる。

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  • 高齢化に伴う介護需要の増大&生産年齢人口減少→労働市場の逼迫(失業率低下)を「アベノミクスの成果」と印象操作する。
  • 労働力人口減少に対しては、経済社会構造の効率化(省人化)ではなく、家庭にいた女と「退職→再雇用」の団塊の世代の男を低賃金労働者として引っ張り出す人海戦術で対応。
  • 低賃金労働者の増加を「一億総活躍」や「女性が輝く」とポジティブに印象操作する。

いつまで持続するでしょうか。

totb.hatenablog.com 

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*1:中央銀行から市中銀行に供給された資金が、又貸しの連鎖によって'multiply up'されるというもの。