Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

雇用者増加は日本経済の弱さの反映

アベノミクスが成功している証とされているのが、労働市場の逼迫です。

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特に、雇用者の増加は急激です。

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過去記事では、増加の多くが女と60歳以上の男であることを確認しました。

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今回は内閣府「国民経済計算」から、雇用者の労働時間等をグラフにします。

1990年前後の労働時間減少は主に週休2日制への以降によるものです。

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近年では、労働時間減少を雇用者増加で相殺することで、総労働時間を維持しています。

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時給は横ばいが続いています。賃金上昇が労働者を引き寄せているのではなく、低賃金でも働かなければならない人が増えていることが示唆されます(貧乏暇なし)。

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これらのデータからは、雇用者増加が日本経済の強さではなく弱さを表していることが読み取れます。低賃金で柔軟に雇える女と退職者の増加は、戦時に「挺身隊」などで労働力不足を補ったことと似ています。学生のブラックバイトは昭和18年の学徒動員、安倍政権が進める外国人労働者の受け入れは昭和19年に始まった朝鮮人徴用、「一億総活躍」は国家総動員あるいは「一億火の玉」に相当するでしょう。

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異次元金融緩和という「奇襲」は劇的な円安・株高を実現させたものの、消費税率引き上げという失策もあり、実体経済は労働力不足に追い詰められつつあります。1943ー44年のような状況です。*1

安倍首相の目標が「日本を外国人の手に取り戻す*2」ことだとすれば、すべてはグローバル投資家のシナリオ通りなのかもしれませんが。

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補足

日本経済は、

  • 1997年秋に金融危機発生
  • 企業は1998~2002年に資本効率・収益性重視体質への構造転換(リストラクチャリング)を進める
  • 2003年から海外経済に牽引された緩やかな景気拡大へ
  • 2008年秋のリーマンショックで「振出しに戻る」*3
  • 2009年末から再び緩やかな景気拡大へ

と展開してきました。アベノミクスの成果とされているものが2002年からのリピート再生に過ぎないことは、労働市場の指標にも表れています。

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アベノミクスの成果とされる倒産件数の減少も民主党政権時から始まっています。一方、休廃業・解散する企業は過去最多です。

*1:東條英機の首相辞任は1944年7月

*2:目指すはグローバル資本の属国あるいは植民地。日本のエスタブリッシュメント両班に。

*3:2007年秋には海外経済の変調のために停滞が始まる。