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テニスの優勝賞金男女同額は正当か?

フェデラーが8回目の優勝を果たしたテニスのウィンブルドン選手権では、10年前から優勝賞金が男女同額になっています(今年は220万ポンド≒3億2千万円)。全米、全仏、全豪は既に同額になっていたので、四大大会すべてが男女同額です。

一見すると「男女平等」ですが、異論も根強くあります。

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「女子テニス協会(WTA)は男子(選手)の威光を傘に着ている。もし私が女子選手だったら毎晩、ひざまずき(男子プロテニス界のビッグ4のうちの2人である)スイスのロジャー・フェデラー選手(34)と、スペインのラファエル・ナダル選手(29)が生まれてきてくれたことに感謝するよ。なぜなら彼らがテニスというスポーツを支えているからね」

「男の優勝賞金は女より多くて当然」の主な論拠は、

  • 男の方が観客・視聴者が多い(→収入が多い)
  • 男の方が圧倒的に強い(今回のウィンブルドンでの最速サーブは男が230km/h、女が195km/h)
  • 男は5セットマッチだが女は3セットマッチ(→「時給」では男<女)

です。

実際、サッカーで男女の賞金に大差があるのは、

blogos.com

  • 女子のプレーは男子に比べて見劣りする(各国代表でも男のU-15に勝てない)
  • そのため、客を呼べない(→収入が少ない)

ためです。野球でも、メジャーリーグマイナーリーグでは実力と人気の差を反映して年俸に大差があります。

テニスはサッカーや野球に比べると男女差が生じにくい競技ですが、男女を同一の基準で評価するのであれば、同額はあり得ません。

先月に「セリーナ・ウィリアムズの実力は男子では700位相当」と発言したマッケンローには、「男子テニスと女子テニスはテニスとサッカー、りんごとオレンジのように全く別物なので、比較することは不適切」との反論がありましたが、男女同額派は「同じプロテニスなのだから男女同額でなければ差別」と「男子テニスと女子テニスは全く別のスポーツなのだから同じ基準では比較できない」を都合よく使い分けています。

「男女を同等に扱え→同じ基準で評価したら男>女→男女は全く別物なので同一基準で評価するな」???

totb.hatenablog.com

女子のトップ級が「差別反対/男女平等」を錦の御旗にして実力以上の報酬(差別利権)を貪る風潮は、プロテニス界に限ったことではありません。

Alison Wolfは、男女平等が建前のフェミニズムが女を少数のリッチなエリートと多数の低賃金労働者に二分し、格差を拡大させたことを指摘しています。*1

… replacing privileged men with privileged women doesn’t seem to pay any “diversity” benefits. What Norway now has is a new group of “golden skirts”: a small group of women who are very rich indeed.

As a feminist cause, boardroom quotas ought to be a bust. In fact, they are of a piece with much of the modern feminist media: a combination of elite self-interest and preoccupation with imagery.

It is a victory over historic discrimination. But it also means that the female elite is increasingly different from other women. Class trumps gender. And inequality among women is rising much faster than inequality among men.  

“Sisterhood” is dead. Different women have very different lives, and interests.

動物農場』の人間―男、動物―女、豚―エリート女、その他の動物―低賃金労働者の女とすれば、現代フェミニズムの本質とは「反・人間を叫ぶ豚がその他の動物を搾取する」ことです。

動物農場―おとぎばなし (岩波文庫)

動物農場―おとぎばなし (岩波文庫)

もっとも、トップ級の女の地位を引き上げることが多数の女の地位を低下させるメカニズムは、一般人には理解困難と思われます。だから、反・人間を叫ぶ豚をその他の動物が支持し続けたように、日本を含む先進国で、「改革」の名の下に一般国民の貧困化を進めるネオリベラル政治家が支持され続けるのでしょう。

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totb.hatenablog.com

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*1:当ブログの分析と同じ。