Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

グローバル投資家のための構造改革

安倍内閣総理大臣は2013年9月25日にグローバル投資家の総本山のニューヨーク証券取引所

「Money never sleeps」のタイトルさながらに、お金は儲かるところに流れる、その原理は極めてシビアです。

今日は、皆さんに、「日本がもう一度儲かる国になる」、23年の時を経てゴードンが金融界にカムバックしたように、「Japan is back」だということをお話しするためにやってきました。 

もはや国境や国籍にこだわる時代は過ぎ去りました。

と語りました。

そこで、国境や国籍にこだわらない内外のグローバル投資家・グローバル企業が日本で儲ける方法について考察します。

日本市場の特徴は、

  • 人口減少のために量的縮小が不可避→投資のリターンが小さい
  • 労働力の「兵隊」としての質が高い(丁寧、几帳面)
  • 生産設備やインフラに加え、自然や文化等、有形・無形資産が豊富

などです。この条件下で儲けを増やす効率的な手段は、

  • 設備投資は抑えて既存の資本ストックを寿命まで活用する
  • 質の高い労働者を低賃金で雇う
  • インフラや公共施設(公園等)を民営化あるいは民間ビジネスに開放させる

など、「育てる」とは対極の、既存リソースを使い潰す・売り飛ばす「略奪農法」あるいは「ハゲタカファンド」的なものになります(後は野となれ山となれ)。

さらに税制面では、

でサポートします。もちろん、穴埋めは消費税です。

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このように見ると、1990年代半ばからの構造改革が首尾一貫してこの路線を追求してきたことが分かります。

下は安倍首相が小泉内閣官房長官時代に、前職をリストラで失職した運転手のタクシーに乗車した際のエピソードですが、規制緩和の目的の一つが低賃金労働者を増やすことであると「改革の旗手」が説明しています。

運転手さんはこんなことを言っていたそうです。

前からタクシーの運転手をしていた息子に勧められて、自分も運転手になった。規制緩和でどんどん車の数が増えて、息子の給料はずいぶん、そう三割くらいかな、下がった。でも、私が働けるようになって、家全体としての給料は上がったんだ。「これが規制緩和だよね」と。

これはものすごくわかりやすい例で、確かに競争が厳しくなると、辛い思いをする人が出てくる。しかし、結果的に社会全体としての雇用は増えている。*1

日本は資本の投資先としては魅力が乏しいため、代わりに労働力が魅力的に、つまりは優秀な賃金奴隷を豊富に揃える必要があります。

政府が積極財政よりも財政再建に傾く理由については、シュトレークの分析が的確のようです。

時間かせぎの資本主義――いつまで危機を先送りできるか

時間かせぎの資本主義――いつまで危機を先送りできるか

実のところ、資産をもち、自由主義政党を支持する富裕層が気にかけているのは、国家債務をなくすことよりも、むしろ国が、富裕層から借り入れている債務の利払いと償還を約束通り実行する能力をもっているかどうかだ。これこそ、現在の債務危機の中で「市場」がもっとも大きな声をあげて表明している懸念にほかならない。

債権者がいわば現代国家の第二の選挙民、、、(constituency)として登場してきたことは、かつて1980年代と90年代に、行動する株主がシェアホルダー価値の原則を掲げて資本主義的大企業の世界に乗り込んでいった現象と驚くほどよく似ている。

企業では剰余金を従業員への分配や経営強化のための留保に充てる代わりに、株主に配当すべきだという要求が高まる。これに対して債務国家では、国債の価値、いわばボンドホルダー価値、、、、、、、、、を維持すべきだという要求が高まる。シェアホルダー価値、、、、、、、、、を高めるには、企業経営者が従業員をリストラするか、あるいはもっと良い方法は、従業員を巻き込み、労使一丸となって株価向上のための努力をすることだ。これと同じように、国債所有者の信頼をつなぎとめるためには、政府が市民に対して、「金融市場」に有利に働くように、公的予算に対する市民の請求権を控えるように説得するか、あるいは強制することが必要となる。

それに加えて、積極財政による賃金上昇もグローバル投資家には好ましくありません。「日本人共は死なぬ様に、生ぬ様に」が理想です。

政府がボンドホルダーの要求に応じているように、企業もシェアホルダー≒グローバル投資家の要求に応じて、

  • 設備投資を抑制→有形固定資産減少
  • 人件費を抑制
  • 配当金を大幅増(それでもキャッシュが余るので純資産も大幅増)

を実践しています。

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公共資産を民間の収益源にする動きも全国で進んでいます。

民泊やカジノ(IR)を正当化する観光立国も、テクノロジーよりも低賃金労働力に依存して儲ける一環です。

世界一訪れたい日本のつくりかた

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安倍首相のこのような発言からは、

規制改革のショーケースとなる特区も、総理大臣である私自身が進み具合を監督する「国家戦略特区」として、強い政治力を用いて、進めます。*2

既得権益の岩盤を打ち破る、ドリルの刃になるのだと、私は言ってきました。

春先には、国家戦略特区が動き出します。

向こう2年間、そこでは、いかなる既得権益といえども、私の「ドリル」から、無傷ではいられません。*3

日本を、能力にあふれる外国人が、もっと活躍しやすい場所にします。*4

アベノミクス第三の矢の本質が「グローバル投資家を効率的に儲けさせるための構造改革」の加速、国家戦略特区はそのための制度であることが読み取れます。

日本の最高権力者が、グローバル投資家の「稼ぐ力」を強めるために日本人を一億総貧乏暇なしに陥れる政治を執り行っているわけですが、それが「もはや国境や国籍にこだわる時代は過ぎ去りました」の意味するところです。

グローバリゼーション・パラドクス: 世界経済の未来を決める三つの道

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*1:発言者は竹中平蔵

*2:2013年7月26日

*3:2014年1月22日

*4:2014年5月1日