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Google社員の多様性イデオロギー批判

Googleのエンジニアの会社批判が話題になっています。

エンジニアとしてグーグルに勤めるこの男性従業員はメモの中で、テクノロジー業界で女性が少ないのはバイアス以外が原因になっている可能性があり、グーグルの左寄りの職場文化はこうした問題の率直な議論を妨げていると記した。この文書は急速に広まり、ギズモードが5日、サイトに掲載した。

このエンジニアはメモで、男性のステータスに対する意欲はより強く、これが「長くストレスの多い時間」を余儀なくされるテクノロジーやリーダー職へと男性を押し上げる一方、「女性は平均的によりワークライフバランスを求める」と主張した。 

社内文書の原文はこちら(⇩リンクを差し替え*1)。

diversitymemo.com

全文を読めば、このエンジニアの主張が「真の多様性の実現のためには、男女の生物学的な差異を認める必要がある」であることが分かります。一部メディアの「多様性否定」や「根拠が不明」の報道はフェイクニュースです。(追加⇩)

文書から何点か取り上げます。太字は引用者によるものです。

トップ層に女が少ないことが性差別の証拠とされますが、この文書では、逆に「なぜ男が多いのか」と問題提起しています。

We always ask why we don’t see women in top leadership positions, but we never ask why we see so many men in these jobs. These positions often require long, stressful hours that may not be worth it if you want a balanced and fulfilling life.

Status is the primary metric that men are judged on, pushing many men into these higher paying, less satisfying jobs for the status that they entail. Note, the same forces that lead men into high pay/high stress jobs in tech and leadership cause men to take undesirable and dangerous jobs like coal mining, garbage collection, and firefighting, and suffer 93% of work-related deaths.

進化心理学に基づく解答がこちらで、女は男を「自分と子供のために男がどれだけのリソースを提供できるか」を示すステイタスで評価し、男は女を「健康な子供を沢山産み育ててくれる肉体」を示す美で評価するからです。女が「魅力的な外見」に拘るように、男はステイタスに拘ることがトップ層の男女差を生むわけです。*2

For heterosexual romantic relationships, men are more strongly judged by status and women by beauty. Again, this has biological origins and is culturally universal.

やわらかな遺伝子 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

やわらかな遺伝子 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

三七の文化のすべてで、女性は自分より年上の男性を求め、ほぼすべてで、男性より女性のほうが、相手の社会的地位や野心や勤勉さを重視した。一方、男性は、相手の若さ(どの文化でも、男性は自分より若い女性を求めた)と外見(どの文化でも、女性が美しい男性を求める以上に、男性は美しい女性を求めた)を重く見た。*3

さらに、階層化された大規模な機能集団が男によって形成されてきた(可能性が高い)ことも、現代企業のトップ層に男が多い根本原因の一つと考えられます。

人類進化の謎を解き明かす

人類進化の謎を解き明かす

特別な手続きや入会儀式(女性には理解できないものが多い)をともなうクラブを好むという男性の性向は、彼らがやや気楽につるんだり徒党を組んだりすることとかかわりがありそうだ。これは小規模な狩猟集団(狩猟より戦争だろうか)に起源を発するのかもしれないが、その心理的なメカニズムはより多人数に一般化できそうであり、教会や軍隊などの大規模な階層社会につながるように思われる。

テクノロジー業界に女が少ない理由としては、女は共感/男はシステム化の傾向が強いことを挙げていますが、

Women, on average, have more:

  • Openness directed towards feelings and aesthetics rather than ideas. Women generally also have a stronger interest in people rather than things, relative to men (also interpreted as empathizing vs. systemizing).
  • These two differences in part explain why women relatively prefer jobs in social or artistic areas. More men may like coding because it requires systemizing and even within SWEs, comparatively more women work on front end, which deals with both people and aesthetics.

これはサイモン・バロン=コーエンの説です。*4

共感する女脳、システム化する男脳

共感する女脳、システム化する男脳

なぜ理系に進む女性は少ないのか?: トップ研究者による15の論争

なぜ理系に進む女性は少ないのか?: トップ研究者による15の論争

男性型の脳はタイプS(S>E)、女性型の脳はタイプE(E>S)によって特徴づけられるというエビデンスについて論じてきた。・・・・・・これらの研究からわかるのは、数学や物理といった分野における職場に各性別の希望者数を単純に反映させられるならば、職場の男女比がいずれ半々になるとは期待できないことだ。

ドリーン・キムラも同じ結論です。

看護や教育の場において男性の数が足りないと聞くことはないが・・・・・・大半の人が、これらの分野に男性が乏しいことは、男性がその才能や興味に乏しいことを反映していると考えており、実際、それはほとんど正しい。

いくつかの科学の分野で女性数が少ないことは、両性の間にある生まれつきの才能と興味の差によるものであることを裏づけるエビデンスは強力だ。

事実、システム化やコンピュータサイエンスとの関係が強い数学のSATスコアには、有意な差が見られます。*5

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身長は主に遺伝要因(先天的)と栄養等要因(後天的)によって決まります。なので、発達環境が完全に平等な社会では、身長差は遺伝要因が決めることになります。

同様に、数学の得点差やテクノロジー業界の男女比の偏りが社会的に作られたものか、生まれつきの性差によるものかを判断するには、男女平等社会を見ればよいことになります。 

Note that contrary to what a social constructionist would argue, research suggests that “greater nation-level gender equality leads to psychological dissimilarity in men’s and women’s personality traits.” Because as “society becomes more prosperous and more egalitarian, innate dispositional differences between men and women have more space to develop and the gap that exists between men and women in their personality becomes wider.” We need to stop assuming that gender gaps imply sexism.

アメリカでは、大学での専攻分野には明確な男女差が存在します。コンピュータサイエンスは最も男に偏った分野です。

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アメリカよりも男女平等が進んでいるとされる北欧のフィンランドでも、傾向はほとんど同じで、"women relatively prefer jobs in social or artistic areas"を実証しています。

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テクノロジー業界では女が少ないことが差別とされますが、逆に保育士や幼稚園教諭など乳幼児の相手をする職業は北欧でも100%近くが女です(データは2014~2016年)。

子育ては他の類人猿や霊長類でも雌の役割なので、男女構成比の違いは生まれつきの性差の反映と考えるのが自然です。ならば、テクノロジー業界の男女構成比が生まれつきの性差によるものであっても何の不思議もありません。

花形のテクノロジー業界に女が少ないと「女を増やせ」と騒ぐが、「保育士の半数を男にしろ」「土木作業員の半数を女にしろ」「労災死の半数が女になるまで平等化を進めろ」とは騒がないことに、リベラルの欺瞞が表れています。男がやってきた危険な汚れ仕事を引き受ける気はさらさらないが、勝ち組男のポジションの半分は女に譲れという異常な欲深さが現代フェミニズムの本質です。

フェミニズムは女のジェンダーロールからの解放(≒社会的義務の放棄)を正当化しましたが、男がジェンダーロールから解放されても、女からも男からも相手にされない社会の落後者になるだけです。

Feminism has made great progress in freeing women from the female gender role, but men are still very much tied to the male gender role. If we, as a society, allow men to be more “feminine,” then the gender gap will shrink, although probably because men will leave tech and leadership for traditionally feminine roles.

フェミニズムは「女の役割」は否定したものの、「男の役割」「男のあるべき姿」は堅持したままです。そのため、男に求められる諸々の水準が高まり、絶対強者を除く大多数の男にとっては生きにくい社会が現出しています。

“The traditionalist system of gender does not deal well with the idea of men needing support. Men are expected to be strong, to not complain, and to deal with problems on their own. Men’s problems are more often seen as personal failings rather than victimhood,, due to our gendered idea of agency. This discourages men from bringing attention to their issues (whether individual or group-wide issues), for fear of being seen as whiners, complainers, or weak.”

これが日本では、人生がほぼ詰んだ「キモくて金のないオッサン」と、女も含めた「40代一人暮らし」の増加につながっています。総中流社会の崩壊の根本原因は、財政金融政策の失敗ではなく、ネオリベラリズムと融合したフェミニズムということですが、これについては別記事に回します。*6

togetter.com

先日のマッケンロー批判といい、アメリカのリベラルの思想弾圧は暴走する一方です。

Google has several biases and honest discussion about these biases is being silenced by the dominant ideology.

The Silencing: How The Left is Killing Free Speech

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totb.hatenablog.com

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追記

二つの概念図が重要です。男女には様々な点で分布に違いがありますが、例えば体力(運動能力)でも男の平均以上の女もいれば、女の平均以下の男もいます。なので、「女にはempowermentが必要/男には不要」という二分法では「下の男」のempowermentが不足してしまいます。真の多様性実現には二分法の見直しが必要ではないか、という主張につながります。

このようなロジカルな主張がPC-authoritariansによって封殺される状況は、ガリレオ裁判を想起させます。

ガリレオ裁判――400年後の真実 (岩波新書)

ガリレオ裁判――400年後の真実 (岩波新書)

この文書の作成者James Damoreが解雇されてしまいました。法的手段に訴えるとのことです。

Damore said he was exploring all possible legal remedies, and that before being fired, he had submitted a charge to the U.S. National Labor Relations Board (NLRB) accusing Google upper management of trying to shame him into silence.

"It's illegal to retaliate against an NLRB charge," he wrote in the email. 

法律の専門家からも解雇を問題視する意見が出されています。

Damoreは文書中ではこのように書いていましたが、PC-authoritariansの魔手はGoogle社内にも回っていたようです。

This same compassion for those seen as weak creates political correctness, which constrains discourse and is complacent to the extremely sensitive PC-authoritarians that use violence and shaming to advance their cause. While Google hasn’t harbored the violent leftist protests that we’re seeing at universities, the frequent shaming in TGIF and in our culture has created the same silent, psychologically unsafe environment. 

PC-authoritariansの共産主義マッカーシズム的な暴走には、穏健派リベラルからも懸念が出されています。

edition.cnn.com

In ideology-driven authoritarian regimes, locking someone out of the labor market because you don't like their ideas is a common approach. ・・・・・・No, in America when you violate the PC code of conduct, a small cadre of people will dust off the outrage machine -- and millions of people will fuel it.

これに対する非リベラルの反発が、トランプ大統領を誕生させたわけです。

おまけ

欧米のリベラルが主観(性自認)を客観(医学)よりも上位に置いていることを示す一例。子宮と卵巣がなくて精巣があっても、本人が女と言えば女として通用するのです。

セメンヤは子宮と卵巣を持たないが、体内に精巣がある。平均的な女性と比べて3倍以上のテストステロン(男性ホルモンの1種)を分泌しているという。

こちらはもっと極端な例。

これは短距離走ですが、ボクシングやレスリングでも「男対女」を認めるのでしょうか。

*1:当初リンクしていたGizmodoの記事では図表と参照リンクが削られていましたが、根拠を欠いた偏った主張に見えるような印象操作を意図したものと考えられます。実際、印象操作に引っかかった人も少なくないようです。

*2:男は女を養うが、女は男を養わない(息子を除く)。

*3:アメリカの進化心理学者David Bussの、六大陸と五つの島における調査結果。

*4:一流の研究者であるバロン=コーエンの学説を疑似科学と断じる人の根拠は何でしょうか。

*5:囲碁や将棋、チェス、最近ではビデオゲームの達人も、大半が男。

*6:動物農場』では、反・人間と動物の平等を叫ぶ豚がその他の動物を弾圧・搾取しますが、この豚がフェミニストです。