Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

レントシーキングと「失われた20年」

安倍内閣総理大臣は2013年9月25日のニューヨーク証券取引所でのスピーチで、

「Money never sleeps」のタイトルさながらに、お金は儲かるところに流れる、その原理は極めてシビアです。

今日は、皆さんに、「日本がもう一度儲かる国になる」、23年の時を経てゴードンが金融界にカムバックしたように、「Japan is back」だということをお話しするためにやってきました。

と述べていました。 

しかし、1990年代後半以降、日本経済の成長率は世界経済の成長率を下回っています。

f:id:prof_nemuro:20170908221632p:plain

日本経済の成長率低下は、1997年の消費税率引き上げや、不良債権処理を遅らせて金融危機を引き起こしてしまったことなどの経済失政も一因ですが、根底には人口減少・高齢化があります。

検証経済失政―誰が、何を、なぜ間違えたか

検証経済失政―誰が、何を、なぜ間違えたか

そのため、成長戦略が成功したとしても成長率を日本≧世界に戻すことは無理で、お金は「儲からない国=日本」から「儲かるところ=海外」に流れることになります。

この条件下で「日本がもう一度儲かる国になる」ためのヒントが下の記事にあります。
www.dhbr.net

政府との特別な関係を利用して、規制による保護を獲得する。みずからの利益のために、公共投資を確保する。特定の規則を、自社にとって好ましい方向にねじ曲げる。こうして競争を抑制することで、自社の優位性を保つ――。つまり、「非生産的」な起業家たちがいるというのだ。

経済学者はこうした行為を「レントシーキング」と呼んでいる。

レントシーキングの状況証拠は①大企業の利益増加、②ルール変更への働きかけ、ということです。

We don’t have a smoking gun to confirm this hypothesis, but there surely is smoke, and it comes in two forms: rising profits, especially those earned by the largest businesses in the economy, and suggestive evidence of an increase in efforts to shape the rules of the game. This pattern is consistent with the rise of economic rents and rent-seeking behavior.

日本では大企業の利益が激増していますが、その一因はルール変更によって人件費抑制が容易になったことです。

f:id:prof_nemuro:20170908225243p:plain

「規制改革」と称するルール変更は、一部企業人・学者が主導する形で進められています。

規制改革推進会議 - Wikipedia

1996年に政府の行政改革推進本部に『規制緩和委員会』が設置され、委員長をオリックス会長の宮内義彦が務めた。・・・・・・宮内は1995年以来、同種の規制改革会議の議長を10年以上連続して務めた。

規制改革会議 - Wikipedia

その究極が「岩盤規制」を破壊する国家戦略特区です。*1

国家戦略特別区域 - Wikipedia

国家戦略特別区域諮問会議有識者議員

国家戦略特区ワーキンググループ有識者

規制改革のショーケースとなる特区も、総理大臣である私自身が進み具合を監督する「国家戦略特区」として、強い政治力を用いて、進めます。*2

既得権益の岩盤を打ち破る、ドリルの刃になるのだと、私は言ってきました。

春先には、国家戦略特区が動き出します。

向こう2年間、そこでは、いかなる既得権益といえども、私の「ドリル」から、無傷ではいられません。*3 

このような状況証拠からは、レントシーキングの跋扈も経済停滞の一因であることや、安倍首相が日本国民全体の厚生よりもレントシーカーの利益を優先していると判断できそうですが、どうでしょうか。

徹底解剖国家戦略特区: 私たちの暮らしはどうなる?

徹底解剖国家戦略特区: 私たちの暮らしはどうなる?

*1:現在、国家戦略特区のwebサイトでは家事支援外国人受入事業と旅館業法の特例(特区民泊)がトピックスに取り上げられています。国家戦略特区が「移民国家」へのドリルの刃であることが示唆されます。

*2:2013年7月26日

*3:2014年1月22日