Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

日本再興という幻想

4-6月期の実質成長率(前年同期比)は、GDP+1.4%、国内需要+0.9%、民間需要+0.9%となりました。

いわゆるアベノミクス期の特徴は、就業者の増加が著しいことです。

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そのため、就業者1人当たり実質GDPの伸び率は低くなっています。

2013Q2→2017Q2は年平均+0.2%に過ぎず、

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2012年度→2016年度も年平均+0.4%にとどまっています。

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就業者の増加はアベノミクスの成功を示すものとプラスに評価されていますが、裏を返せば労働生産性上昇率の低さを「人海戦術」でカバーしているともいえます。

人口減少に対しては「労働生産性を高めれば国民1人当たりでは豊かさを維持できる」という楽観的な見方もありましたが、就業者1人当たり実質GDPの伸び率がゼロに近づいていることは、人口減少がさらに進めば経済のマイナス成長が常態化することを示しています。

人口減少社会は怖くない

人口減少社会は怖くない

ここで思い出されるのが、クルーグマン知名度を高めることになった1994年の「アジアの奇跡という幻想」です。

良い経済学 悪い経済学 (日経ビジネス人文庫)

良い経済学 悪い経済学 (日経ビジネス人文庫)

アジア諸国のめざましい経済成長は投入の急速な増加によるものであり、信じがたいことかもしれないが、奇跡といえるような点はなにもない。

アジア諸国の経済成長が投入主導型であり、資本ストックが増えるにつれて収益が逓減しはじめているとすれば、海外投資も当然の行動として説明がつく。

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アベノミクスは日本再興という「奇跡」を呼ぶことはできませんでした。

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