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[グラフ]日本が世界一安い旅行先になった理由

イギリスのPost Officeの調査によると、東京が「最も安い旅行先*1」になったということです。

その要因としては、激しいサービス価格競争と円安が指摘されています。

Tokyo has usurped Cape Town to become the cheapest long-haul destination in the world, according to new research.

... prices in the Japanese capital had fallen 23 per cent in a year, thanks to strong competition between restaurants, bars and cafes, plus downward spiral of the yen.

日本とイギリスの消費者物価指数を財とサービスに分けて比較します。

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両国のインフレ率の差が財ではなくサービスにあること、すなわち、日本を「最も安い旅行先」にした一因が過去20年間のサービス価格の停滞にあることが分かります。

サービス価格の停滞の原因は賃金の停滞です。

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企業は生産性の上昇に応じた賃金を支払う代わりに、労働者は企業に忠誠を誓うということが、戦後資本主義の暗黙のルールであった。それが今では、経営者は労働者をリストラし、賃金を抑えることによって利潤を拡大し、株価を上昇させ、経営者は対価として法外な報酬を得るということにルールが変わった。新自由主義経済学とその政策は、労働市場を自由化し、労働組合を抑圧することによって、賃金抑制に貢献した。

20年間の賃金抑制によって先進国としては異例の安さとなった日本のサービスを外国人に差し出すのが「観光立国」ということですが、能天気に「観光立国に賛成!」などと言っている人は、この意味が分かっているのでしょうか。*2*3*4

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ペンタゴンの頭脳 世界を動かす軍事科学機関DARPA (ヒストリカル・スタディーズ)

ペンタゴンの頭脳 世界を動かす軍事科学機関DARPA (ヒストリカル・スタディーズ)

*1:近場を除く

*2:当然、分かっているはずがなく、「儲かるから歓迎」「親日派が増えるから歓迎」程度しか考えていないでしょう。

*3:日本政府の経済政策が「自国民の所得水準を高める」ではなく「外人様が安く買えるように日本の賃金を抑制する」になっているということ。移民推進も「自国民よりも外国人優遇」の典型例です。

*4:大衆が熱狂的に支持した構造改革をワンフレーズで表現するなら「日本の取り柄を『高い技術力』から『安い労働力』に退行させること」となるでしょう。ツァラトゥストラを真似ると「豊かな日本は死んだ」「我々が豊かな日本を殺した」のです。