Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

安倍首相版「すばらしい新世界」

安倍首相が4年前に「もはや国境や国籍にこだわる時代は過ぎ去りました」と発言したニューヨーク証券取引所で再びスピーチを行いました。 

成長志向の法人税改革を進め、この4年間で7%以上税率を引き下げ、20%台となっている。それでも、企業の成長のおかげで、法人税収は、私の前の政権の頃から7兆円近く増加している。

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こちらは消費税。 

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日本経済は、11年ぶりとなる、6四半期連続でのプラス成長。4年連続で高いレベルの賃上げが進んだことで、内需主導の力強い経済成長が実現している。*1

Fake news? 

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人口減少の中で、「生産性革命」と「人づくり革命」に取り組む。*2

人口減少へのもう一つの処方箋は、「人づくり革命」の実現。2050年に、日本の人口は2千万人減ると予想されているが、就業者は、逆に、今より1千万人近く増加させることも可能。

女性や高齢者の皆さんが、もっと活躍できる環境を創ることで、日本は、まだまだ成長できる。

保育や介護のサービスを一層充実し、現役世代が仕事と両立しやすい環境を整える。

年をとっても(低賃金で)働け、子供も自分で育てずに(低賃金で)働け、ということのようです。また、低賃金労働者の増加は企業の生産性向上インセンティブを阻害します。

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社会保障を、もっと、現役世代に振り向ける「全世代型」の制度に改革していく。

現役世代に必要なのは「救貧法」ではなくdecent workです。Decent workが失われた主因は企業が株主利益の最大化(MSV)に傾斜したためですが、安倍首相はMSVをさらに推進しようとしています。

日本企業の体質を変えるため、コーポレートガバナンス・コードを策定した結果、独立社外取締役を2名以上置いている上場企業は、5年前の17%から88%になった。機関投資家によるガバナンスを強化するため、スチュワードシップ・コードを策定した。

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私はこの大改革を、必ずやり遂げる。あらんかぎりの政治資源を、日本の未来を拓くためにつぎ込んでいく。

簡単に言うと「国民(の厚生)のための政治」から「株主(の利益最大化)のための政治」への新自由主義革命です。*3

  • 企業は株主利益の最大化に邁進する(⇔人件費抑圧)。
  • 機関投資家はそのためにプレッシャーを強める。
  • 社外取締役は「政治将校」のように経営を監視する。*4
  • 女も老人も「柔軟な労働力」として低賃金労働に駆り出す(敗戦間近?)。
  • 一部のセレブを除き、子育ては親や祖父母から保育所やメイド(外国人?)へ。

デンマークには専業主婦はいないのですか」と質問すると、「一部のセレブにはいる。これは個人的見解だが、これだけ頑張って女性の社会進出の基盤を整えてきたのに、専業主婦になりたいという女性がいると、はっきり言って困る」との回答で、実際には専業主婦も専業主婦になりたい女性もいるとのことでした。 

これが安倍首相が目指す「すばらしい新世界」ですが、Murrayが言うところの「自殺する決意」を固めたヨーロッパの後追いにも見えますが。

The Strange Death of Europe: Immigration, Identity, Islam

The Strange Death of Europe: Immigration, Identity, Islam

Europe is committing suicide. Or at least its leaders have decided to commit suicide. Whether the European people choose to go along with this is, naturally, another matter.

I mean that the civilization we know as Europe is in the process of committing suicide and that neither Britain nor any other Western European country can avoid that fate because we all appear to suffer from the same symptoms and maladies. As a result, by the end of the lifespans of most people currently alive Europe will not be Europe and the peoples of Europe will have lost the only place in the world we had to call home.

It has recently been pointed out that Europe is now also led by people without children, including May, Merkel, and Macron, and the Italian, Dutch, and Swedish prime ministers, and more. These are very different people and the causes of childlessness will also be different, and as Weigel notes in some cases this will be experienced with sorrow. But this is surely the first time that Europe, and Europe’s elites, have so clearly turned away from producing the next generation.

新しい国へ 美しい国へ 完全版 (文春新書 903)

新しい国へ 美しい国へ 完全版 (文春新書 903)

*1:強調は引用者、以下同。

*2:安倍首相が「革命」という言葉を連発するのは、大げさな表現が好きだからではなく、本気で「日本を一変させる」、すなわち国体の変更≒事実上の革命を実現するつもりだからではないでしょうか。実際、3年前の「あたかもリセットボタンを押したように、日本を一変させる」との発言を文字通りに受け取れば革命宣言です。(例:日本シャンバラ化計画 - Wikipedia

*3:これを庶民が支持する不思議。

*4:共産主義国家において党が国家社会を指導するように、新自由主義国家では投資家階級(株主)が指導する。