Think outside the box

夏眠中|I shall return.

北欧のリベラル信仰とその副作用

山口真由はアメリカのリベラルが「ある意味で狂信的」と批評していますが、

リベラルという病 (新潮新書)

リベラルという病 (新潮新書)

リベラルが信じているのは「人種間の平等」だ。この教義は後に「すべての人間の平等」へと拡大した。フェミニストはそこに「男女の平等」を入れ込み、LGBTは「セクシャリティの平等」を含めることを主張したからだ。

リベラルは、敬虔なキリスト教徒を「偏狭」だと批判する。しかし、こと「リベラル信仰」においては、リベラルも、ある意味で狂信的ではないかと私は思う。

アメリカよりもリベラリズムが浸透した北欧では、その「狂信」が普通になっています。

一般的に、女子サッカーは国代表レベルでも男子中学生に劣る実力しかありません。真の平等とは、性別を問わず実力や人気に見合った報酬を受け取ることのはずですが、そうはならないのが「リベラル信仰」です。

テニスでも四大大会の賞金は男女同額になっていますが、女子史上最強とされるセリーナ・ウィリアムズでも、マッケンローの評価によると男子のランキング700位程度の実力しかありません。

これらのスポーツの例が示しているのは、リベラルが絶対正義と掲げる「男女平等」が、実のところは大多数の女には恩恵がなく、ごく少数の「上の女」に超過利潤を与えるだけの、女女格差を拡げるものだということです。

ノルウェーでは、公開企業にボードメンバーの40%以上を女にすることを義務付けるクォータが2006年に導入されましたが、そこで生じたのは、複数社の役員を掛け持ちする少数のエリート女"golden skirt"の出現でした。

In fact what happened was that a small group of well-known, very senior women started to pick up board position after board position. They became known as the golden skirts. So while Norwegian boards had technically made the quota of 40% female board members, they were all the same women. The gender diversity on boards had increased but the range of skills and personalities had only slightly increased.

… replacing privileged men with privileged women doesn’t seem to pay any “diversity” benefits. What Norway now has is a new group of “golden skirts”: a small group of women who are very rich indeed.

As a feminist cause, boardroom quotas ought to be a bust. In fact, they are of a piece with much of the modern feminist media: a combination of elite self-interest and preoccupation with imagery.  

It is a victory over historic discrimination. But it also means that the female elite is increasingly different from other women. Class trumps gender. And inequality among women is rising much faster than inequality among men.

“Sisterhood” is dead. Different women have very different lives, and interests.

女女格差が生まれるメカニズムは簡単です。賞金を稼いだり役員になれる可能性があるのは、女の中でも上位層に限られるので、彼女たちがさらに上のポジションに引き上げられると、

  • そのポジションから別の誰かが追い出される(主に男)
  • その女がやっていた仕事や家事を別の誰かがやらなければならなくなる(主に女)

が起こります(⇩)。

社会全体のアウトプットが増大するわけではないので、「上」の女に超過利潤を与えると、別の誰かが損失を引き受けなければならなくなるのです。フェミニズムとは「上が得するために下に損させる」ネオリベラリズムの一派であり、Alison Wolfが書いているようにClass trumps gender/“Sisterhood” is deadが現実です。

ナンシー・フレイザーによれば、アメリカの多くのフェミニストは、新自由主義的原理が女性を家父長制的規範から解放すると考え、新自由主義との共犯関係に陥った。フレイザーの批判は主として再分配の問題系にかかわるものであり、その中心的な論点は、家父長的な福祉国家制度の解体と雇用の規制緩和によって、一部の管理職女性は確かに恩恵を受けたが、女性非正規労働者が増加し、格差が拡大しているという点である。*1

なので、ノルウェーではこう(⇩)なっているわけです。*2

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共産主義が崩壊したように、北欧のリベラリズムもいずれ崩壊するでしょう。

最後の転落 〔ソ連崩壊のシナリオ〕

最後の転落 〔ソ連崩壊のシナリオ〕

女女格差

女女格差

参考①

ジンバルドー&クーロンは

男子劣化社会

男子劣化社会

  • 世界の平均寿命は女>男
  • 乳がんの女<前立腺がんの男だが、米連邦政府の研究支出は乳癌が前立腺がんの2倍
  • アメリカの死因のトップ15のほとんどすべてで男>女
  • アメリカでは男の自殺率が女の4倍、イギリスでは3.5倍
  • アメリカの仕事中の死亡の92%が男
  • アメリカのホームレスの68%が男、イギリスでは86%

こういった事実から、私たちはある意味、女性は男性より大きなパワーをもっているのではないかと考えている。

と結論しています。

totb.hatenablog.com

totb.hatenablog.com

totb.hatenablog.com

参考②

日本の国際結婚

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追記

フェミニズムを国是とするイデオロギー国家・スウェーデンの狂気がエスカレートしています。

狂信がフェミニズムの本質なのでしょう。

*1:訳者あとがきより。

*2:「夫」になるのは西側先進国出身者が多く、「妻」になるのは東南アジアや旧共産圏出身者が多い。