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バブル期以来26年ぶりの好景気の実態

安倍首相が26日に日本経済団体連合会審議員会で、現状をバブル景気以来の好景気と述べています。*1

中小企業も含めた全規模・全産業で見ると、実はもっと久しぶりで、バブル景気以来26年ぶりの好景気なんです。その意味するところは、現在は大企業だけでなく、中小企業の景況感も良い、ということ。これが2006年との大きな違いです。

大企業、製造業だけにとどまらず、景気回復のうねりが、中小企業や非製造業の皆さんにも広がっています。正に、アベノミクスが目指してきた経済の好循環が、この5年間で確実に生まれている。そのことの証左だと思います。

そこで、二つの景気拡大期の経済指標を比較します。*2

1987年Q1と2013年Q1を起点とした実質GDPの推移です(横軸は経過年数)。

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財務省「法人企業統計」より、全産業(金融業、保険業を除く)・全規模の人件費の推移です。

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厚生労働省「毎月勤労統計調査」より、実質賃金の推移です。

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厚生労働省「毎月勤労統計調査」の所定内給与を総務省消費者物価指数」の食料価格で割ったものです。所定内給与で買える食料の量を意味します。

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労働者にとっては、バブル期とは比較にならないほど微弱な「好景気」です。

企業の設備投資ペースもバブル期を大きく下回っていますが、

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利益はバブル期を大きく上回る高水準で、これが株高を支えています。

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労働分配率を抑えていることと、支払利息等の減少分がそっくり企業の取り分になったことが、空前の利益水準の源泉です。

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バブル期との類似点は、企業が金余りになっていることです。

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不動産ではマンション価格が量的・質的金融緩和と歩調を合わせて上昇しています。

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銀行貸出も増加していますが、

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その主体は個人(主に住宅向け)と不動産業です。

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貸出増加上位の五つ(5業種)以外の資金需要は依然として低調です。

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バブル期の「日本経済の供給力を増大させる投資先の不足→マネーが資産市場に向かう→資産価格上昇」をスケールダウンしたのが現状と言えそうです。

ここ1年は中国需要にも助けられています。

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国内投資と賃上げが低調な理由は下の記事で。

totb.hatenablog.com

*1:引用は首相官邸のサイトより。

*2:バブル期は1986年11月~1991年2月、現在は2012年11月~。