Think outside the box

夏眠中|I shall return.

[グラフ]労働力調査・毎月勤労統計調査

就業者数と就業率を男女別にグラフ化します。

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60歳以上の女の就業率がこの半世紀で最高水準に上昇していますが、フェミニストの理想の"Arbeit macht frei"が実現しつつあるのか、それとも「生活のために働かなければならない」人々が増加しているのか、どちらでしょうか。

ボーヴォワールは語る―『第二の性』その後 (平凡社ライブラリー)

ボーヴォワールは語る―『第二の性』その後 (平凡社ライブラリー)

個人的な面では、一番大事なことは働くことです。そしてできれば結婚を拒否すること。

子どもから解放されないと女性は解放されない

家族は廃止されるべきです。

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就業者は増加し、失業率も低下しているにもかかわらず、賃金は停滞したままです。

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労働市場が、価格(賃金)が「低止まり」したまま、景気変動に応じて数量(就業者数)が変化する柔軟な構造に変化しています。

2002~2008年と2012年~の景気拡大でも、賃金・俸給の増加ペースは鈍く、1997年度のピークを下回ったままです。

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労働市場がタイト化しても賃金上昇が鈍い理由ですが、1997年2月のグリーンスパン連邦準備制度理事会議長(当時)の証言が参考になります。*1

But the rate of pay increase still was markedly less than historical relationships with labor market conditions would have predicted. Atypical restraint on compensation increases has been evident for a few years now and appears to be mainly the consequence of greater worker insecurity. In 1991, at the bottom of the recession, a survey of workers at large firms by International Survey Research Corporation indicated that 25 percent feared being laid off. In 1996, despite the sharply lower unemployment rate and the tighter labor market, the same survey organization found that 46 percent were fearful of a job layoff. *2

ケインズ (講談社学術文庫)

ケインズ (講談社学術文庫)

現実的にいうならば、賃金率が下がるならば、今までに近い収入を得るためにもっと長時間働こうとする。こうした結果賃金率の切り下げは、労働供給量を増すという形になる。

そこで賃金を切り下げると、かえって労働供給量が増すことになる。このことは労働供給量が過剰で賃金率が下がると労働供給量が増すのであるから、労働市場はさらに供給過剰になり、賃金率はさらに下がることになる。

そうなると今まで働かなかった家族も、生活を維持するために、労働市場に供給者として現われるだろう。かくしてさらに賃金は下がる。

こうして賃金の低下は図28のように労働供給量を増し、賃金低下の悪循環を生んでいくことになる。この結果、もうこれ以上働けないという限界S´まで賃金は低下し、そこにおいて労働崩壊が起こることになる。*3

この20年間で起こったことです(⇩)。

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賃金抑圧が可能になったことで企業の付加価値の増分が「株主総取り」に変化しました。

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財務省「法人企業統計」から、全産業(金融業、保険業を除く全規模)の1997年度と2016年度を比較すると、「株主の勝ち・労働者の負け」が明白です。

  • 人件費 :-1.2兆円
  • 営業純益:+36.4兆円
  • 配当金 :+15.8兆円

多くの国民が支持した構造改革によって、グローバル株主様のために女も60歳を過ぎても低賃金で働かなければならない社会になったわけですが、安倍首相の「改革」に終わりはありません。

あたかもリセットボタンを押したように、日本を一変させる。

明らかに日本は生まれ変わりつつあります。そして、これからも変わり続けます。

私の改革に終わりはありません。そして、いかなる障害も、私の改革への意志を阻むことはできません。

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株主様のために現場に無理を押し付けた帰結(⇩)。 

経営の行動指針―土光語録

経営の行動指針―土光語録

賃金を低く抑えようとする努力からは、会社の繁栄は生まれない

totb.hatenablog.com

賃金を低く抑えようと(≒国民を貧しくしようと)努力する国・日本の「最後の転落」も近そうです。

参考

2013年2月28日第183回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演説より(5年前)

小さな町工場から、フェラーリBMWに、果敢に挑戦している皆さんがいます。

自動車ではありません。東京都大田区の中小企業を経営する細貝さんは、仲間と共に、ボブスレー競技用「そり」の国産化プロジェクトを立ち上げました。

「世界最速のマシンをつくりたい」

三十社を超える町工場が、これまで培ってきた、ものづくりの力を結集して、来年のソチ五輪を目指し、世界に挑んでいます。

高い技術と意欲を持つ中小企業・小規模事業者の挑戦を応援します。試作品開発や販路開拓など、新しいチャレンジを応援する仕組みを用意します。

ひたすらに世界一を目指す気概。こういう皆さんがいる限り、日本はまだまだ成長できると、私は、確信しています。

今一度、申し上げます。皆さん、今こそ、世界一を目指していこうではありませんか。

なぜ、私たちは、世界一を目指し、経済を成長させなければならないのか。

それは、働く意欲のある人たちに仕事を創り、頑張る人たちの手取りを増やすために他なりません。

このため、私自身、可能な限り報酬の引上げを行ってほしいと、産業界に直接要請しました。政府も、税制で、利益を従業員に還元する企業を応援します。

既に、この方針に御賛同いただき、従業員の報酬引上げを宣言する企業も現れています。うれしいことです。

家計のやりくりは、大変な御苦労です。日々の暮らしを少しでも良くするために、私たちは、「強い経済」を取り戻します。

*1:Before the Committee on Banking, Housing, and Urban Affairs, U.S. Senate February 26, 1997

*2:強調は引用者、以下同。

*3:[引用者注]図28は省略。