Think outside the box

MAKE JAPAN GREAT AGAIN

医学部人気と観光立国

日本企業が本業から不動産等の資産からの収益に依存する体質への転換を進めています。

会社を買収した新社長は組合との団体交渉の場で『出版事業には興味がない』と断言し、『コンテンツの切り売りを進めていく』と明言しました。

会社が所有する不動産の転用も進めていくと思われます」

現在のJR九州の売上高のうち鉄道事業は約4割程度。その屋台骨は、鉄道事業ではなく駅ビルやドラッグストアなどの運営、マンション分譲などの流通事業や不動産事業だ。 

大都市の一等地に構える校舎が多く、用途転換を進める意向だ。そこで小売業などがわれ先にと出店を持ち掛けたというわけだ。

不動産業に関しては一等地の大家として有望視され、前途はなかなか明るい。

企業の体質転換は財務省「法人企業統計」からも確認できます。

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国際収支からも、日本経済が「貿易よりも投資で稼ぐ」構造に転換したことが確認できます。 

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日本企業の本業からの撤退は、公的規制(医師免許+診療報酬制度)に守られた医師を志望する高学力高校生を増やしています。*1

某大病院の院長も言っていましたが、医療の本質は維持補修であって創造ではありません。生活水準を向上させる「創造」は医系ではなく主に理系から生まれるので、高学力高校生が「理系より医系」になることは、技術立国の崩壊につながります。*2

天然資源や農産物の輸出で稼げない日本が栄える道は技術立国しかないはずですが、政府が目指しているのは途上国型の「観光立国」です。

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「観光収入に依存するようになっても日本経済は盤石」「観光客は日本の『おもてなし』に感動して親日派になる」などと能天気なことを考えている人もいるようですが、金欲しさに外国人に迎合する国と国民など見下されるだけです。*3

(日本国内で活躍する「親日派」が増加中⇩)

技術立国の先進国を「自主廃業」して、観光に依存する「衰退した貧しい国」に「あたかもリセットボタンを押したように、日本を一変させる*4」のが、安倍政権の「日本再興」です。

  • 日本の目標:2030年に訪日外客数6000万人
  • 中国の目標:2030年に高速鉄道の営業距離45000km(現在の日本の15倍)

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参考

構造改革新自由主義とは帝国主義リバイバルだったようです(金利生活者⇒株主)。

帝国主義論 (光文社古典新訳文庫)

帝国主義論 (光文社古典新訳文庫)

金利生活者の出現を助長するのは、資本輸出である。資本輸出は、帝国主義の本質的な経済基盤の一部である。資本輸出に起因して、金利生活者層が生産活動から完全に切り離され、その状態が一層固定化される。

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Thomas Frankはアメリカのリベラルが労働者階級を見捨てた(敵視するようになった)背景に、高学歴エリートが"professional class"あるいは"creative class"を形成して一般労働者を見下すようになったことを指摘しています。リベラルエリートのネオリベラル化≒日和見主義です。

帝国主義は、プロレタリアートの上層部を買収するための経済力を生み出し、そうすることによって日和見主義を培養し、形成し、強化する。

日和見主義はさまざまな国ですっかり成熟し、爛熟し、腐敗した。そして、社会主義的排外愛国主義となって、完全にブルジョア政治に融合してしまったのである。

*1:アメリカや中国では、数学や物理に秀でた学生はTech業界を目指すのに対して、日本ではその能力をほとんど活かさない医師を目指します。

*2:既に大戦末期の関東軍のように「張子の虎」と化しているようですが。

*3:能天気な人にも二種類:①外国を知らずに「日本すごい」と思い込んでいる井の中の蛙、②外国に行ってサービス質の低さに呆れて「日本すごい」と思うようになる“愛国者

*4:2014年6月2日世界経済フォーラムジャパン・ミーティング2014における安倍首相のスピーチより。