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夏眠中|I shall return.

フランスの出生率低下

フランスの出生率についてのグラフと簡単な考察です。

フランス本土の合計出生率(total fertility rate)の長期推移

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TFRは景気や社会情勢、あるいは丙午(⤵)や辰年効果(⤴)*1など、出産のタイミングが前後することで振れるので、出生率の長期の傾向はコーホート出生率で見るのが適切です。

コーホート出生率からは、出産が高齢化しているものの、最終的な出生率は低下していないことが見て取れます。ただし、移民による引き上げ効果を考慮すると、白人の出生率は低下していることが確実です。*2

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TFRの低下は、20代までの出生率が低下する一方で、30歳以上の出生率が頭打ちになったためです。*3

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フランスに限らず多くのヨーロッパ諸国では、女の学歴やキャリアによる出生率や無子率の差が縮小していますが、これは政府の「仕事と育児の両立支援」の効果と見られます。

しかし、国全体の出生率には大した効果が見られないのは、「上の女」が"have it all"したことで「下の女」が“貧乏暇なし”に追い込まれる「女女格差」拡大が一つの要因と考えられます。

もう一つ重要なのが、上の記事からも抜け落ちいている「男=父親」です。人間は男女が分業・協力して子育てする動物なので、まず女が男を選ばなければ出産には至りません。いくら女の仕事と育児の両立支援を充実させても、女の要求水準を満たす男が不足していれば無意味です。

下の二つのグラフは、フランスでも

  • 無子率の男女差が拡大している(時間差一夫多妻?)
  • 女は男を経済力で選んでいる

ことを示しています。*4

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つまり、大半の男が十分に稼げる仕事に就いていない限り、女の仕事と育児の両立支援は、上の女を利するだけの格差拡大策になってしまうのです。女の労働力化は男の賃金を引き下げて「女に選ばれない男」を増やす要因であることも無視できません。*5

女になりたがる男たち (新潮新書)

女になりたがる男たち (新潮新書)

フェミニズムは死の文化です。フェミニズムのせいで女性は子どもをつくらなくなったわけですから。

子どもが生まれなければ、行き着くところは死しかありません。フェミニズムとは何か。女が男と同じように行動したがることです*6。ラディカルなフェミニズムが定着したあらゆる国で、女性たちが子どもを作らなくなったのは偶然ではありません。シモーヌ・ド・ボーヴォワールがまさしくそうです。*7

ボーヴォワールは語る―『第二の性』その後 (平凡社ライブラリー)

ボーヴォワールは語る―『第二の性』その後 (平凡社ライブラリー)

私は幸運でした。私は出産や家事の義務など女性を隷属させるいろんなものをまぬがれていましたから。

最近になって、子どもを産むことは女性にとって厄介な罠だと思うようになりました。だから母親になるな、と女性に忠告したいのです。

ちなみに、トッドは国家支援がフランスの高出生率の理由だとしていますが、恐らくこれは過大評価で、それよりも性・男女関係のだらしなさ、ルーズさが重要だと考えられます。 

世界の未来 ギャンブル化する民主主義、帝国化する資本 (朝日新書)

世界の未来 ギャンブル化する民主主義、帝国化する資本 (朝日新書)

議論を突き詰めていくと、日本の根本問題は基本的な日本の質の問題であると思います。日本では完全ということについての理念があって、それがさまざまな驚くべき成果につながってきました。たとえば東京という大都市。周辺も合わせて3000万人という人が住みながら、きれいで清潔。ゴミなどほとんど散らかっていない。

けれども命とか命を生み出すものは、無秩序、だらしなさ、ルーズさなのです。それが必要です。女性の地位が上がれば、国家が支えるものだということも受け入れなければなりません。完璧であろうとするのをやめることです。 

日本や韓国、中国、台湾、香港、シンガポールが低出生率なのは、ルーズとは対極の勤勉(→要求水準が高い)で草食化しやすい国民性が関係しているようです。

“They are women who have a great education, a successful career, and a pretty face and just don’t want to settle for less,” Lai said.

Twenty-year-old university student Diana Lam described Kong men at her age as “toxic.”

“They seem to be like ‘kidults.’ They are obsessed with video games and figurines. If a Kong man does not have a promising career or the ability to take care of a woman, Hong Kong women will not date him,” she said.

女の上方婚志向です。

参考

一部の日本人が「男女平等で子育てに優しい理想的な国」と考えている北欧のフィンランドですが、2016年の合計出生率は1.57、新生児の母親の1/8は外国系です。

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教育も有名ですが、PISA2015では、女に比べた男の数学スコアがOECD諸国中最悪でした。男女平等(女のempowerment)の実態は男のdisempowermentなのです。

totb.hatenablog.com

totb.hatenablog.com

*1:中華圏では辰年生まれの子供は運勢が良いとされるのため、出産が増える。

*2:外国人によるTFRの引き上げ効果はドイツ(2015)では+0.07ポイント、イタリア(2016)では+0.08ポイント

*3:生物学的には初産が30歳以上になるのは遅すぎです。

*4:フランスでもKKOは救われないということ。

*5:フェミニズムネオリベラリズムは「夫を賃下げして妻を低賃金の労働力として駆り出す」ことを目指す点で一致します。これで得するのは一握りの「上」の女と男で、大半の男女は搾取される側ですが、上野千鶴子も暗に認めているように、フェミニズムネオリベラリズムは同じ穴の狢です。新たな抑圧者が解放者として登場するのはよくあることです。(例:アジアを白人支配から解放した大日本帝国、東欧をナチスドイツの占領から解放したソ連、ロシアの民衆をツァーリズムから解放したボリシェヴィキ

*6:[引用者注]女が男と同じにならないのは、配偶者を養わないことです。なので、男女の所得均等化は非婚化と少子化を招きます。

*7:[引用者注]日本なら上野千鶴子がまさしくそうです。上野語録には「正規雇用者の給料を下げて、夫に600万円払っているのなら、夫に300万円、妻に300万円払うようにすれば、納税者も増えます」「男女共同参画社会は、新自由主義的なベクトルとフェミニズムとの妥協の産物だ」というのは、100パーセント正しいと思います」「エリート女の泣きどころは、エリート男しか愛せないってこと(笑)」「めんどうくさがる男たちが[・・・]ギャルゲーでヌキながら、性犯罪を犯さずに、平和に滅びていってくれればいい」「少子化はぜんぜんOKだと思います」などがあります。