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夏眠中|I shall return.

リフレ政策を理解せずに批判する「日本の未来を考える勉強会」講師

自由民主党の若手議員が参加する「日本の未来を考える勉強会」は、リフレ派に反対する財政出動派の講師陣の説を信奉しているようですが、「ぜひご覧ください」の講演の内容はVoodoo Economicsです。

青木泰樹がリフレ政策を全く理解していないことは明らかです。

34分30秒~で「日銀の量的緩和が効かなかった理由は明明白白」と、次のように説明していますが、

  • マネタリーベース=現金+日銀当座預金
  • リフレ派は日本銀行国債買い入れと引き換えに供給する現金が市中に流れると考えていた
  • しかし、実際には日銀の当座預金口座に積み上がるだけなので流通現金は増えない
  • リフレ派が依拠する貨幣数量説では「マネーストック増→物価上昇」だが、リフレ政策では流通現金が増えない→マネーストックが増えないのだから、インフレ率も上昇しない

リフレ派の経済学者やエコノミストは、日銀が供給するマネーが当座預金口座に超過準備として積み上がることを正しく理解した上で、リフレ政策の有効性を主張していました。リフレ政策とは「中央銀行が超過準備を減らさないと確約すればインフレ予想が生じる」というもので、「中央銀行が市中に現金を溢れさせる」などという粗雑なものではありません。青木の説明は、リフレ無効論の中でも最低レベルのstraw man論法です。

totb.hatenablog.com

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53分20秒~の「統合政府の観点からは財政問題は既に解決している」との説明にも問題がありますが、これについては別記事に回します。*1

勉強会の「思い切った財政出動を」という提言はそのままでよいとしても、講師は選んだ方がよさそうです。

totb.hatenablog.com

*1:松尾匡と同じく、日銀が国債を買い入れれば「国の借金」がチャラになるので問題解決、というおかしな主張です。民間への利払費を減らすことは、民間の利息収入を減らすことであり、一種の緊縮政策です。