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夏眠中|I shall return.

スウェーデンの性の解放と性犯罪の増加

1988年の清水義範の小説『永遠のジャック&ベティ』は、34年ぶりに再開したジャックとベティの奇妙な会話を描いた作品です。

永遠のジャック&ベティ (講談社文庫)

永遠のジャック&ベティ (講談社文庫)

ジャックは初恋の相手ベティに

それとなく、くどいてみる手だ。むこうもこっちも独身。何の支障もない。

との感情を抱くものの、「言語中枢が三十数年分退化し」ているので、

女性をくどこうとすると、こんな言いまわししか頭に浮かんでこない。

「私はあなたとセックスすることを欲しています」

これでは女はくどけないだろう。ベティが、「はい、私も欲しています」と答えるとは考えられない。

「いや、なんでもありません」

とジャックは言って寂しく笑った。 

となる結末です。

しかし、スウェーデンでは7月から、このようなやり取りをしなければ犯罪になります。

欧米では同意を記録するアプリも開発されていますが、*1

完全な解決策にはならないようです。

But Dr. Drouin is not sold on apps as a solution to a very human problem. The requirement to interact with an app during a sexual encounter is “completely unrealistic,” she said.

“It would be very awkward within the context of an intimate encounter to be like, ‘Wait a second, I’m changing my mind on the app and also with you,’” she said.

More important, she said, the app could persuade someone to fulfill acts simply because they agreed to them in advance, or to overcommit in an effort to appear more sexually adventurous. 

性の解放と男女平等の先進国のスウェーデンですが、性犯罪は増加の一途を辿っています。

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第三世界からの外国人の流入も一因ですが、主因は犯罪の基準の厳格化です。

「それまではスウェーデンでもセックスは隠すべきもので、結婚するまでしてはいけないことだと抑圧されていたんです。それに反発するように女性解放運動が起こり、ピルが導入され、女性が妊娠を気にせずにセックスを楽しめるようになった。これで性規範がガラリと変わりました」

セックスを売買に例えると、男は売り手、女は買い手で、男は売れればOKですが、女は買ったものを厳しく評価します。また、規制緩和は選択肢を増やす一方で、「良いと思って買ってみたら外れだった」となるリスクも増やします。そのため、性の解放が進むほど女が「失敗」する機会も増えます。この失敗を女に「自己責任」として甘受させることを避けるためには、男を「悪」に仕立て上げる必要があるわけです。*2*3

ヒトの特徴にはセックスを隠すことや男女が分業することがありますが、その本性に逆らって性の解放や男女平等を進めたら、男女交際のハードルが異常に高いシュールな社会(ディストピア?)が出来上がってしまったようです。*4*5

totb.hatenablog.com

*1:利用者は自分の性遍歴を業者に提供することになりますが。

*2:規制緩和の代償が、女は失敗セックスで後悔することで、男は女を後悔させた罪に問われること。女の不満は遡及して罪に問われる

*3:スウェーデンの「国教」はフェミニズムで、外交も"feminist foreign policy"に則っています。

*4:性の解放が進んだ国ほど性犯罪・セクハラヒステリーがひどくなるメカニズム:女は男よりも質を重視する→男に比べて性行動に慎重になる→「女は慎重に」という社会通念が「女が抑圧されている」と認識されるようになる→性の解放→女の失敗が増える→男の罪が増える(女を満足させられなかった罪)

*5:男女関係におけるコミュ力がますます重要になり、非モテはさらに生きにくくなると予想されます。