人の成長期には体を作るための支出が必要ですが、中高年になると今度は健康維持・体の補修のための支出が必要になります。もし、体の維持補修の費用を惜しめば、QOLが低下して早死にする人が続出するでしょう。
国の経済も同じで、成熟期になると資本ストックを維持補修する投資の必要性が増大します。
しかしながら、橋本政権以降、日本政府はほぼ一貫してインフラストラクチャーへの投資を削減・抑制しています。
人間に例えると、
- 成長期は終わったので能力増強投資は不要
- メンテナンスしても劣化は止められないので無駄
という論理ですが、このような「ケチ」は政府に限ったことではありません。
マンションの大規模修繕では、「自分が生きている間はなんとかなるから、死後のためにカネを払うのは無駄(もったいない)」と抵抗する老人がいるそうですが、このような意識が集団化・巨大化したものが、公共事業の削減を狂喜して支持する世論ということができます。
シルバーデモクラシーと言えば「高齢者が年金給付額を維持するために現役世代の負担を増やすように政治的圧力をかける」といった放漫財政がイメージされますが、日本の場合は様子が違って、老い先が短い老人には長期的に有用な投資も無駄遣いに感じられてしまうことから来る緊縮財政になるようです。
老父がAV問題で警察沙汰…「性欲を解消できない」高齢者の悲劇 : https://t.co/9lqs4Y2Qqp #現代ビジネス
— 現代ビジネス (@gendai_biz) June 19, 2018
「老い先短いのだから、もう我慢なんかしたくない、好き勝手にやりたいという気持ちもあるかもしれません」と説明する。脳に病変があるわけではないのに、「残り少ない人生、したい放題したい」という気持ちが勝って暴走するわけで、老い先短いがゆえの心理ともいえる。