Think outside the box

夏眠中|I shall return.

男女平等・子育て支援と出生率の関係(仮説)

日本では男女平等化(分業の否定・共働き促進)や子育て支援の充実が出生率引上げに効果があるとされてきましたが、これは必ずしも根拠がなかったわけではありません。先進国(主に西洋)の比較では、北欧など男女平等・子育て支援先進国の出生率が高かったことは事実だからです。

しかし、2017年にはフィンランドの合計出生率が1.49、ノルウェーも1.62に低下している上、アジアでは「女性活躍」先進国(地域)のシンガポールや香港、台湾は1.1台と、この定説が疑わしくなっています。

ある国や時期には効果があるように見えるが、別の国や時期には効果が無い、あるいは逆効果になっているように見える理由は、出産までには二つのハードルがあることで説明できそうです。

一つ目のハードルは、男女が結婚(やそれとほぼ同等の関係)に至ることで、二つ目は夫婦が出産の決断をすることです。

自由に相手を探して結婚する男女が十分に多い社会においては、子育て支援等の経済的インセンティブは「安心して産める」心理を醸成することで第二ハードルに効くと考えられます。

しかし、女には「夫は自分と同等以上」がhard-wiredされているので、男女平等化は第一ハードルを引き上げ、長期的には未婚率を高めることになります。第一ハードルをクリアしていなければ、第二ハードルへの支援は無意味です。

ここ20年くらいデンマークの大学進学率は女性が男性を上回っています(男性が40%女性が60%)。優秀な女性が自分以上の男性を探すため、ミスマッチが起こり、晩婚化がますます進んだようです。この女性の経済的自立も離婚率をあげた原因だろうとのことでした。「女性の地位向上、男女平等が進むと少子化が進むのです」とおっしゃったのが印象的でした。*1 

I asked, “Why a woman from Asia, it is so far away and then there are so many women in Denmark?” He replied, “Look, I am a bus driver, women these days are highly educated and no one wants to marry an uneducated bus driver. Not even a handsome one like me. Time and years are flying by and I want a family.”

一方、自由に相手を探して結婚する男女が十分に多くない国(特に東アジア)では、最初から第二ハードルへのプラスよりも第一ハードルへのマイナス効果が大きいため、ほとんどあるいは全く効かないように見えるということです。

Aoyama believes the country is experiencing "a flight from human intimacy" – and it's partly the government's fault.

"A few people can't relate to the opposite sex physically or in any other way. They flinch if I touch them," she says. "Most are men, but I'm starting to see more women."

日本に必要なのは、子育て支援よりも男の経済力アップでしょう。

Japan’s birth rate may be falling because there are fewer good opportunities for young people, and especially men, in the country’s economy. In a country where men are still widely expected to be breadwinners and support families, a lack of good jobs may be creating a class of men who don’t marry and have children because they—and their potential partners—know they can’t afford to. 

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totb.hatenablog.com

*1:強調は引用者、移動