Think outside the box

夏眠中|I shall return.

女医の増加・医療崩壊・女女格差

東京医科大学が若い男の合格者を増やすために入試点数を操作した件は海外でも報じられていますが、

イギリスでは、女医の増加が医療供給体制を崩壊させる懸念が10年以上前から指摘されています。女は男よりも楽な働き方をしたがるので、女の割合が高まることは、供給力の低下につながるためです。

www.ncbi.nlm.nih.gov 

www.telegraph.co.uk 

大臣(当時)も認めたことです。

www.bbc.co.uk 

During a debate in Westminster Hall, Conservative MP Anne McIntosh, said: "It's a controversial thing to say, but perhaps I as a woman can say this - 70% of medical students currently are women and they are very well educated and very well qualified.

"When they go into practice and then in the normal course of events will marry and have children, they often want to go part-time and it is obviously a tremendous burden training what effectively might be two GPs working part-time where they are ladies.

"And I think that is something that is going to put a huge burden on the health service."

In response, Ms Soubry said: "You make a very important point when you talk about, rightly, the good number of women who are training to be doctors, but the unintended consequences."*1

www.dailymail.co.uk 

The reason is that most female doctors end up working part-time — usually in general practice — and then retire early.

As a result, it is necessary to train two female doctors so they can cover the same amount of work as one full-time colleague. 

In addition, doctors tend to marry within their own socio-economic group and, in many cases, the wife is the secondary earner. This also encourages less demanding part-time work. *2

2017年11月末時点では、NHS Hospital and Community Health Servicesの医師の30%が外国人です(国籍不詳を含む)。*3

We make up the shortfall in medical manpower by importing about 40 per cent of the doctors we need. Most now come from austerity-stricken EU countries. 

www.dailymail.co.uk 

That means, as more women enter the profession, you need more doctors. *4

In medicine they help generate a holistic, gentler approach with greater co-operation and planning. There’s less machismo. But that doesn’t wipe away the big, structural problem created by more part-time working and maternity leave. And it’s patients who will suffer, because it endangers continuity of care.

Medicine should be seen as a vocation, and with this comes the harsh reality that your patients have to be your priority. *5

Sexism批判を恐れて手が付けられないまま、事態は深刻化しています。

Two thirds of GPs under 40 are female, with part-time working popular among those raising families. 

The statistics show record shortages of GPs, which have already fuelled rising waiting lists and surgery closures across the country.

2017年11月末時点で、NHSの医師の45%が女ですが、外科系は27%、うち脳神経外科は18%、整形外科は17%に過ぎません。

  • Obstetrics & gynaecology 66.6%
  • PHM & CHS group 66.4%
  • Paediatric group 63.8%
  • Pathology group 54.5%
  • Clinical oncology 52.7%
  • Psychiatry group 51.2%
  • Dental group 50.8%
  • General medicine group 47.9%
  • Emergency Medicine 42.3%
  • Anaesthetics 39.7%
  • Radiology group 38.2%
  • Surgical group 27.3%

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患者のためにハードな働き方が要求される医師の男女同数を目標にすると、医療崩壊あるいは女女格差拡大に向かってしまうということであり、その根源にあるのは「エリート女の泣きどころは、エリート男しか愛せない」こと、つまりは女と男の本性が異なることです。*6

ケミストリーオブラブ―恋愛と脳のメカニズム

ケミストリーオブラブ―恋愛と脳のメカニズム

私の思うに、今日みられる事態は、伝統的な男女役割分担の少々のずれであり、それが人間関係に新しい緊張をもたらしつつある。すなわち、もし女性が今日まで男性がやっている職業志向の生活を追求するなら、何かを棄てないかぎり、誰が家事と育児をすることになろうか?

一部の人が選ぶ道は子どもをつくらないことである。もう一つの道は、金持ちならばだが、手伝いを雇うことである。(ある既婚の女医は、しばしばおそくまでかかる仕事と、息子を学校が終ったら迎えにゆかなければならないこととの板ばさみになり、途方にくれた時に「私には妻が必要だ」と叫んだ)。

なぜフランスでは子どもが増えるのか -フランス女性のライフスタイル (講談社現代新書)

なぜフランスでは子どもが増えるのか -フランス女性のライフスタイル (講談社現代新書)

かつての「社交」に「仕事」が代わった現在、一度は消えた「乳母」が復活して、高学歴高収入の母親たちを支えている。今日の「乳母」は、乳をやったりはしないが、出産後間もなく職場復帰していく女性の子どもたちの世話をしているのである。

リーンインとマッキンゼーの調査によると、女性上級管理職の半数以上が配偶者も同じように激務の仕事に就いている。これに対し、男性上級管理職のその割合はわずか31%だ。高位職に就く男性の過半数は、配偶者が専業主婦(主夫)か非正規社員で、キャリアに集中しやすい環境にある。 

キャリア志向の強い女性は「男(夫)も女(自分)も男並みに」を求めてしまうところにジレンマがある、と私は分析しています。こういった女性を拙著『「育休世代」のジレンマ』では「マッチョ志向」と呼んでいますが、競争社会に対するコミットが強いゆえに、子育てのために多少仕事を犠牲にしてくれるような夫よりは、経済的な意味で「競争力のある」夫を選んでしまいます。

そうするとまず大抵、夫が自分以上に激務で時間的に協力を得づらい。*7

エリート女の泣きどころは、エリート男しか愛せないってこと(笑)。男性評論家はよく、エリート女は家事労働してくれるハウスハスバンドを選べなんて簡単に言うけど、現実的じゃない。

Sociologists in the US have concluded that men who stay at home and don’t fulfil the stereotype of the male breadwinner don’t get extra brownie points for their hospital corners and nurturing skills.

In fact, they are at greater risk of divorce than men who go out to work full-time. Women who stayed at home did not experience the same increased likelihood. 

結婚の条件 (朝日文庫 お 26-3)

結婚の条件 (朝日文庫 お 26-3)

二人の認識が一致したのは、総合職に就いても、女は結婚相手に経済的に依存して、自分は「生活のためではなく、自己実現のための」仕事を目指す生き物だということであった。「女は真面目に働きたいなんて思ってませんよ。しんどい仕事は男にさせて、自分は上澄みを吸って生きていこうとするんですよ。結婚と仕事と、要するにいいとこどりですよ」と、彼女ははっきりとそう言い、私もその点に関しては全く同意見なのであった。*8

「出会いが限られていて、合コンに行くヒマもなくて。誰かいないか、友達に聞いてまわっています。もう、贅沢は言いません。同年代で同じくらい稼げる人がいい」

と言っても彼女の年収は1千万円超。同年代で1千万円以上を稼ぐ男性はそういない。*9

男性と女性は本来、全く違うんです。同じようにしたら歪みが出てくるんは当たり前です。*10

なお、男女平等が国家に必須のサービスの供給力・対応力を低下させることは、軍隊も同じです。医療は毎日が「有事」なので、楽をしたがる(work-life balanceを重視する)女とは相性が良くないわけです。*11

In 2015, the United States Marine Corps released a year-long study on the capability of a mixed-gender battalion. It was found that all-male units performed resoundingly better than mixed-gender units and highlighted a 1992 study which emphasised the importance and moral necessity of prioritising operational capabilities over accommodating the interests or desires of individuals and groups. This suggests that the road to gender equality has been far from ideal in the United States military as well.

What makes the ADF’s road to gender equality more complex is the advice from activists and interest groups with very limited understanding of military service and the complexity of communal living, highly arduous and dangerous working conditions, as well as the absolute need to have confidence in your peers. In these environments—whether they be at sea, on land, or in the airconventional theories on gender equality may not be optimal.

リベラルが理想とするpolitically correctな社会は代償を必要とするのです。*12*13

The lesson of the iron triangle is that there are inherent trade-offs in health policy. If we wanted to conduct the debates honestly, we would acknowledge these and allow the public to decide what they really want—and what they are willing to sacrifice to get it.

男女平等が信条の人は、この不都合な真実を認めないでしょうが。

世界を変えた14の密約

世界を変えた14の密約

「人間は、証拠を曲げ、無理やり押さえつけ、自分の聞きたい方に持っていく」とカハンは結論づけた。・・・・・・彼らはひとつの答えがあることを信じたがり、その答えは彼らの信条に合ったものでなければならなかった。

自分の世界観に反する事実を突きつけられたときでも、その世界観が結局強まるだけだ。「心の中で『違う』と言いながら、なぜ違うのかを証明するような反論を考えている」とナイハンは言う。「反論を考えながら、間違った信条にさらに浸っていく」 人は信じたいことだけを信じ、耳障りな情報を排除する。

totb.hatenablog.com

参考

厚生労働省の医療従事者の需給に関する検討会・医師需給分科会(第2回)で、日本女医会の山本纊子会長は

自身の経験や、周囲の女性医師への聞き取りによれば、女性医師の労働力は以下のような印象です。

同年代の男を100%とすると

  • 配偶者なし:100%
  • 配偶者あり/子供なし:90%
  • 配偶者あり/子どもあり(中学生未満の子どもあり):50%
  • 配偶者あり/子どもあり(中学生未満の子どもなし):60% 

と述べています。

同分科会の「第3次中間取りまとめ」では医師1人当たりの仕事量を下のグラフのように推計しています。

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男と女が肉体的に異なる以上、女医の増加が医療供給体制の"huge burden"になることは避けられません。少子高齢化で衰退する日本社会はその負荷に耐えられるでしょうか。

*1:強調は引用者、以下同。

*2:[引用者注]これが上野千鶴子が言うところの「エリート女の泣きどころは、エリート男しか愛せない」こと。女は「最低でも自分と同レベル」の男と結婚したがるので、高所得のエリート女も大黒柱になることは稀。

*3:ちなみに、北欧諸国では配偶者の輸入が目立ちます。主な輸入先は男の配偶者が東欧やアジア、女の配偶者は西洋の先進国です。

*4:[引用者注]女を輝かせるためには、バックアップの男が必要となるわけです。

*5:[引用者注]"harsh reality"や"unintended consequence"を無視するのがリベラルの特徴であり、その根底には「正しいことを積み重ねればユートピアが実現する」という幼稚な世界観があります。

*6:あるいは「夫は妻を養うが、妻は夫を養わない」こと。これは進化の過程でhard-wiredされたものなので、変えることは不可能。

*7:自分と同レベル以上を求めるのは「競争社会に対するコミットが強いゆえ」ではなく、女にhard-wiredされた本性です。

*8:[引用者注]外科や救急科が「男にさせるしんどい仕事」

*9:某高級外車を取り扱うカーディーラーによると、顧客には女医が多くいるそうです。女医の働き方を支援するとは、勝ち組をさらに勝たせるために負け組が奉仕することです。

*10:[引用者注]男と女が生物学的に異なる以上、リベラルが夢想する男女平等社会は実現不能ユートピアであるということ。

*11:単なる体力だけの問題ではなく、有事対応OKか否かが重要。女は男に比べて「使命感」で動かない。

*12:女医が働かない分、男の医師か患者にしわ寄せが行くということ。また、国全体の供給制約のため、医師数の大幅増は現実的ではない(他部門の労働力と生産を減少させてしまう)。

*13:医師の社会的使命を考慮すると、「地域枠」のように卒業後の稼働率を合否の判断基準の一つにすることには合理性があると考えられる。地域枠で入学しながら、卒業すると「法的拘束力はない」と都会に逃げた女医の話は聞いたことがありますが、今の世の中ではそれが賢い生き方なのでしょう。